今回は、「左手の押さえ方」の基礎、
「1stポジション」についてお話ししていきます!
下記動画で解説していますので、参考にしてみて下さい!
では、上の動画で説明している内容に、
+@で解説していこうと思います!
弦を押さえるポイント
1stポジションで弦を押さえるポイントは、主に4つあります。
1.指を曲げる(そらない)
2.親指は2の指(中指)の下
3.弦を押さえる指は、立ててあげる
4.指先で掴むように、弦を押さえる
動画内では、サクッと見られるように短めの動画にしていますので、
細かな解説をしたいと思います!
1.指を曲げる(そらない)
![](https://kuro-cello.com/wp-content/uploads/2021/05/1324215-1-e1622079157652.png)
なんで、指を丸く曲げる必要があるの?
チェロを習い始めると、まず先生から
「左指は曲げなさい、そってもダメですよ」
とよく言われると思います。
でも、なぜ曲げなければいけないか分からないですよね。
実は、指がねて接地面が広がると、
その分響く音が出しづらくなるからです。
実は弦を指で押さえる際、見た目よりもしっかり押さえる必要があります。
例えば、開放弦は良く鳴るのに、
指で押さえると音が鳴らしづらくなる事があります。
これは、弦が鳴る状態までしっかり押さえられていない状態になります。
その原因の1つが、「指をねかせてしまっている」です。
指をねかせると接地面が広くなるので、
せっかくしっかり押さえても力が分散されてしまい、
綺麗な音が出しづらくなります。
指の強度が上がってくれば、
音色を柔らかくするためにあえて指をねかせる事もしますが、
基本は指を丸く曲げた状態で弾きます。
あと、接地面が広がると、音の発音が悪くなります。
いわゆる「もやもや~」っとした音です。
指を丸く曲げるのは、
・点で押さえて、しっかり押さえやすくするため
・発音を良くするため
![](https://kuro-cello.com/wp-content/uploads/2021/05/1324215-1-e1622079157652.png)
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じゃあ、指が反っちゃダメなのはどうして?
指が反ってはダメな理由は、
・指の関節に負担が来やすく、指を痛めやすい
・指が反る=指に力が入っているので、脱力しづらい
・速いパッセージが弾きづらくなる
・柔らかいビブラートがしづらい
と、様々な理由があります。
ちなみに、普段物を掴むとき、
指は反るでしょうか?
基本的には、反らないと思います。
そう、指が反る状態は、指にとって不自然な動きなので、
指の関節や筋肉へ大きな負担がかかってしまいます。
(関節が曲がる反対側に、無理に曲げている状態です)
指にとって不自然な形を取っているので、
力が入ってしまい、脱力ができない原因にもなります。
あと、チェロの弦を押さえるのは、
最終的にはグッと握るように掴んで押さえるのではなく、
チェロの首(ネック)にぶら下がるようにして押さえます。
![](https://kuro-cello.com/wp-content/uploads/2021/06/無題.png)
![](https://kuro-cello.com/wp-content/uploads/2021/06/無題.png)
上の絵のように、チェロの首(ネック)にぶら下がります。
※上記の内容は別の記事「左手の脱力」を書いてお伝えしようと思います。
話を戻しまして、
指が反った状態で押さえるのは、怪我の原因にもなりますので、
少しずつ直していきましょう。
指が反ってはダメなのは、
・指を痛めやすくなるから
・左指の脱力がしづらくなるから
2.親指は2の指(中指)の下
![](https://kuro-cello.com/wp-content/uploads/2021/05/237571.png)
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親指の位置って、どこに置けばいいんだろう?
こんな質問をよく頂きますが、
基本は2の指(中指)の下に置きます。
理由はいくつかありますが、
・小指を押さえやすくするため
・指を垂直に立てやすくするため
この2つが特に大きな理由です。
まず、親指と小指が離れてしまうと、
小指が押えづらくなります。
しかし、親指と小指を寄せすぎてしまうと、
他の指が押さえづらくなってしまいます。
その為、2の指(中指)の下くらいが程よいです。
あと、動画内でも説明していますが、
親指が人差し指より上に行ってしまうと、
指がねてしまいます。
試しにペットボトルか何かを指先で掴んで、
親指を上に持ってきてみて下さい。
自然と指がねてしまうと思います。
※普通に持つのではなく、指先で掴んでください!
![](https://kuro-cello.com/wp-content/uploads/2021/06/左手の例.jpg)
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基本的に指がねてしまうのは、
親指の位置が上に来ているからです。
指を立てようとするのではなく、
親指の位置を整えて、指を立てやすくしましょう。
そうすれば、自然と治ってきます。
(注)ちなみに、指を立たせるために親指をねかせると、
手が固定されてしまい、ビブラートがしづらい手になります。
寝かせ過ぎないように注意しましょう。
![](https://kuro-cello.com/wp-content/uploads/2021/06/親指のねてしまっている例.jpg)
![](https://kuro-cello.com/wp-content/uploads/2021/06/親指のねてしまっている例.jpg)
3.弦を押さえる指は、立ててあげる
弦を押さえる時は、なるべく弦に対して垂直になるよう
指を押さえてあげます。
![](https://kuro-cello.com/wp-content/uploads/2021/06/左手の例その2.jpg)
![](https://kuro-cello.com/wp-content/uploads/2021/06/左手の例その2.jpg)
指が斜めになると、力も横に逃げてしまい、
余分に弦を押さえる力が必要になります。
そのため、効率よく力をそこまで使わず押さえるために、
弦に対して、なるべく垂直に押さえる必要があります。
指が寝てしまう場合は、
親指の位置を2の指(中指)の下に持って来ましょう。
(2.で解説しています)
4.指先で掴むように、弦を押さえる
これは、実際にやってみた方が分かりやすいと思います。
まず、500mlペットボトルを準備しましょう。
(眼鏡ケースでも、水筒でもいいです)
そして、指先で掴むように持ちます。
(手のひらにはなるべく付かない状態です)
ちなみに、親指は2の指(中指)と同じ位置です。
この、指先でペットボトルを掴んだ状態が、
弦を押さえる形としてベストな形です。
![](https://kuro-cello.com/wp-content/uploads/2021/06/ペットボトル.jpg)
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ちなみに、指先で掴んだ状態で、
親指を人差し指より上に持ってきてください。
…どうでしょうか?
掴みづらくはないでしょうか。
もしくは、小指や薬指、中指が浮いてないでしょうか。
これと同じ現象が、弦を押さえる時にも起こります。
親指の位置が上に来てしまうと、余分な力がいるので、
左手が疲れたり痛くなったりします。
押さえにくいフォームで無理やり押さえている状態なので、
その負担が指や手、腕に来たりします。
肘の位置について
最後に、肘の位置についてお話ししていきます。
こちらにつきましては、動画内の4分14秒にある
「弦を押さえる時の肘の位置」をご確認ください。
こちらでは、補足をお伝えします。
こちらも、
![](https://kuro-cello.com/wp-content/uploads/2021/05/237571.png)
![](https://kuro-cello.com/wp-content/uploads/2021/05/237571.png)
![](https://kuro-cello.com/wp-content/uploads/2021/05/237571.png)
肘の位置って、何が正解なの?
という質問を受けたことがありますが、
肘の位置は人によって違います。
ただ共通して言えるのは、
・手首がへこまない肘の位置
・肘を下げすぎない
・肘を上げすぎない
です。
え、じゃあなにが正解なの!?
という声も出てくると思うんですが、
ハイポジションから1stポジションまで、
移動しやすい肘の位置がベストです。
というのも、
・手首がへこまない=ハイポジションに移動しやすくするため
左手に変な力が入らないようにするため
・肘を下げすぎない=ハイポジションに移動しやすくするため
腕の重さをかけやすくするため
・肘を上げすぎない=腕の筋が張りやすくなってしまうため
力が抜けにくくなってしまうため
というように、
ハイポジションに移動しやすい肘の位置であれば、
基本的には大丈夫だからです。
ハイポジションに行く度の位置を変えていたら、
1st→7thポジションを行き来する曲は弾けなくなってしまいます。
動画内でやっている方法で
肘の位置を確認するようにすれば、
段々と楽に弾けるようになっていきますので、オススメです。
あ、ただ、手首はへこまないよう気を付けて下さい!
・最後に
いかがでしたでしょうか!
今回解消できなかった、左手の脱力につきましては、
また別の機会でお話しします!
もし、左手の押さえ方で悩んでいましたら、
下記からWebレッスンをお申込み下さい!
お待ちしております!