こんにちは、くろです!
今回は、「白鳥」の歌い方の
手順をお話していきます!
実は、歌うように弾くためには
「手順」がとても大切になります!
ぜひ、参考にしてみてください!
まずは音符通りに弾けるようにする
まずは、リズム通りに
音符を並べられるようにします!
メトロノームを使って、
正確なリズムで弾けるようにします!
※歌う上では超重要です!
この時に、ある程度
余裕をもって弾けるように
細かいところも入念に練習しましょう!
例えば、リズムが怪しい所は
ゆっくりから何度も練習するなどです!
余裕をもって弾けなければ、
歌うことが難しくなりますので、
ゆっくりから何度も練習しましょう!
※大切な事でしたので2度書きました。
強弱など、音楽記号に気を付ける
弾くことに余裕が出てきたら、
次は強弱などの記号に気を付けましょう!
例えば、白鳥の冒頭には
・Adagio(アダージョ)
・p(ピアノ)
が書いてあります!
それぞれの意味は
Adagio=緩やかに
p=弱く(静かに)
となっていますので、
冒頭は「穏やかに静かに弾く」
となります!
※ちなみにAdagioは、イタリア語のAd(加える)agio(安らぎ)から来ているそうです。
他の音楽用語も載せておきますので、
白鳥を弾くときに参考にしてください!
rit.=だんだん遅く
a tempo=元の速さで
dim.=だんだん弱く
Lento=遅く
pp=さらに弱く
強弱などの記号を付けながら
弾けるようにしましょう!
フレーズを見てみよう
1と2ができるようになったら、
フレーズを付けていきます!
フレーズを付けるときは、
最初の内は以下だけ考えましょう!
①各音の音量差ができないようにする
②上行形(じょうこうけい)では、だんだん強くする
※上行形とは、ドレミファと音が上がっていく形のこと
③下行系(かこうけい)では、だんだん弱くする
※下行系とは、ファミレドと音が下がっていく形のこと
(例外もあります)
まずは、各音の音量差を
なくしていきます!
例えば、以下のように弾いていたら
どんな風に聞こえるでしょうか?
※f(フォルテ)=強く
きっと、各音に音量差があって
デコボコ聞こえると思います!
なのでまずは、
音と音が繋がりやすいよう
各音の音量差をなくします!
この工程が非常に大切で、
この下地ができていなければ、
中々きれいに弾くことができません!
まずはフラットな状態で
弾けるようにして、
次に②や③を実行します!
②の
「上行形でだんだん強く」というのは、
pとあったらpの中で行います!
どういう事かというと、
強弱記号にはそれぞれ
「音量の枠」があります!
このようにf~pには、
それぞれ音量の幅があります!
この中でだんだん強くしたり、
だんだん弱くしたりします!
※cresc.などがあったらそちらを優先します。
では、試しに白鳥の冒頭で、
②と③を付けてみます!
すると、以下のようになります!
こうした時に、各拍頭など
大まかにとらえてあげる事が
大切になります!
※緑の丸参照
例えば、
ソファシで下行して、
ミで音が上がったから音量上げて、
ミレシで…また下行するのかな?
としてしまうと
音がデコボコしてしまいます!
なので、
①各音の音量差ができないようにする
を守りながら行いましょう!
【余談】
本当は、非和声音が見つけられると
緑の丸が見つけられるのですが、
知りたい方は音楽理論を学んでみて下さい!
作曲背景から弾き方を決めよう
フレーズが付けられたら、
次に作曲者や作曲背景を知り
曲に反映させましょう!
ここではサクッとお話しますが、
サン=サーンスはフランスの作曲家です!
そして白鳥は、
組曲「動物の謝肉祭」の中の1曲です!
こちらの曲は題名があるので、
イメージが付きやすいですね!
ここから推察していきますが、
フランスの作曲家が書いた曲は、
弓を流れるように使うことが多いです!
なので、
・弓の圧は少なめ
・弓の速度は速め
にしてあげる場合が多いです!
※パリっとした曲では鋭く弾きます。
逆にドイツの作曲家が書いた場合は、
・弓の圧は多め
・弓の速度は遅め
にして、ゴリゴリ弾くことが多いです!
上記のように、
国によって弾き方に特徴が出る
という場合もあります!
あとは曲名から推察しますが、
メロディは水面に浮かぶ白鳥、
伴奏は水面下で必死に動かす足を
表現しています!
そうすると、メロディは
白鳥本体を表現しているので、
スーっと泳ぐ美しいさまを
表現した方が良いことが分かります!
このように作曲背景を
深く知れば知るほど、
曲の弾き方や方針が固まります!
呼吸を付けてみよう
フレーズ、作曲背景が分かったら、
呼吸を付けてみます!
まずは単純に、
弾き始める前に深く息を吸って、
弾き始めるときに息を吐きましょう!
実は、演奏している時は
知らずに酸欠になる方が多いです!
普段弾いていても疲れないのに、
発表会やレッスンで通すと
疲れることってないですか?
これは、以下のようなことが起きて
疲れを感じています!
※一例です。
1.緊張で呼吸が浅くなる
↓ ↓ ↓
2.身体の酸素が足りなくなる
↓ ↓ ↓
3.酸欠で腕など乳酸菌がたまりやすくなる
※意識も薄れてくる
↓ ↓ ↓
4.どっと疲れる&固い演奏になる
難しい所を弾くときは、
息を止めて踏ん張って弾く方も
とても多かったりします!
なので、演奏中に意識的に
呼吸してあげる事が大切です!
この時に注意すべきなのが、
・速い曲では速く息を吸って素早く吐く
・遅い曲では遅く息を吸ってゆっくり吐く
このように、曲のテンポで
息の速度を変えてあげます!
速く呼吸すれば、
身体は俊敏に動く準備をしてくれます!
遅く深く呼吸すれば、
身体はリラックスし楽に弾き始めます!
歌うように弾くということは、
呼吸感が非常に大切になってきます!
積極的に呼吸を取り入れましょう!
音楽理論を使って抑揚をつけてみよう
ここまでできれば、
ある程度は歌うように弾けます!
しかし!!!
歌うように弾くためには、
まだまだ道のりがあります!
今までのは、
歌い方の基礎になります!
なので最後に、応用の1歩目を
お話します!
※際限がなくなるので…
抑揚というのは、
1.音色を変える
2.音の長さを少し変える
などが挙げられます!
ちなみに「白鳥」は、基本的には
・弓の圧は少なめ
・弓の速度は速め
で弾きますが、抑揚を付ける時だけ
少し弾き方を変えてあげます!
音色を変える
では、例えば「音色」を変えるなら、
どのタイミングで変えるのでしょうか?
それは、
転調時や、変わった和声が出た時に
「音色」を変えてあげます!
白鳥の6小節目~を
例に出してみます!
冒頭はト長調(ソの調)で始まり、
7小節目でロ短調(シの調)に変わります!
なので、ト長調にはない音
(臨時記号の付いた矢印の音)を
「転調したよ~」と伝えるために
少し強調してあげます!
この音の強調の仕方は、
・駒に少し近づける
・圧を少し強くし、弓の速度を落とす
このようにして、
えぐるような音を出し、
音色を変えてあげます!
※「転調したよ!」と強調するためです。
では、臨時記号が付いていれば、
どれも強調して、
音色を変えるのでしょうか?
答えは「No」です。
必要なのは、
どのタイミングで雰囲気が変わるの?
というのを、
分かりやすく伝えるために
音色を変えることなので、
むやみに強調はしません!
なので、
転調のタイミングを知るために
・和声の基礎(ⅠやⅤ)
・調性(ト長調など)
・調を当てるゲーム
こうした知識が必要になります!
ちなみに、白鳥では
12小節目でヘ長調へ転調しており、
ここでも音色を変えます!
しかし、12小節目の頭の音は
臨時記号が付いていません!
臨時記号が付いていない場合は、
強調する以外にも音色を変える
方法があります!
それは、先ほどと真逆で
・指板に近づける
・圧を少し弱くする
・弓の初速を速める
こうすることで、
フワッとした音を出すことができます!
このように様々な方法で
音色を変えて抑揚を付けます!
ぜひ音楽理論を学んで
抑揚をつけてみて下さい!
音の長さを少し変える
次に、音の長さを変えます!
こちらは感覚的な部分でも、
ある程度行うことができます!
一番単純なのは、
アウフタクトを少し長めに弾くことです!
特に、ゆったりした曲や、
どっしりした曲、悠然とした曲では
アウフタクトを少し長めに弾きます!
しかし注意なのは、
テンポの中で行うことです!!
rit.やaccel.など
速度が変わる場合は別ですが…
特に理由が何もなければ
テンポは一定で弾きます!
なので、音の長さを長くしたら、
どこかの休符か音符は
帳尻を合わして短くします!
これが例えば1小節内で行ったり、
4小節の大きな枠で行ったりと
様々ではありますが、
ただただ長くしてしまうと
どんどん曲が伸びて重くなります!
ここだけ注意しましょう!
例としては、
カラオケで抑揚をつけるのと同じです。
一定のテンポで曲が進む中、
音を伸ばしたり短くしたりを
行っていきます!
なので、歌が上手い場合は
それを楽器で行うだけですので、
感覚的に行えます!
もし歌が苦手(僕は苦手です)でしたら、
音楽理論を学んで、
転調時や、変わった和声が出た時の音を
長めに弾くのがベターです!
ただし、アンサンブルでは音を伸ばすと
他のパートが弾きづらくなる場合もありますので、
しっかりスコアを確認したり、
直接聞くようにしましょう!
最後に
いかがでしたでしょうか!
今回は「白鳥」の歌い方を
お話しましたが、
色んな曲にも通じるお話をしました!
ぜひ参考にしながら、
白鳥を歌うように弾いてみて下さい!