初心者のための「くろ・チェロ教則本」細かな内容

こんにちは、
チェロのくろです!


こちらでは、ガッツリと、
全曲の概要などを記載します!


\ チェロ教則本 はこちらで配信しています!/

目次

はじめに

まず、こちらの教則本は
私が教えている中高生の子たちや
様々な生徒さんたちが
学びやすいように作成
しました。

(ちなみに、2重奏で楽しめるよう
各練習曲をアレンジしています)


ちなみに教則本とは、
代表的なJ.ウェルナーR.サポージニコフ
の教則本ような

楽器演奏の基礎を、初歩から順序正しく練習する本です。
※コトバンク参照


1から10まで
すべて解説しているのであれば
それは「教科書」や「マニュアル」ですし、
(教本=教科書とされる場合もあるようです)

解説動画が付いているのなら、
「教材」と呼ばれます。


ウェルナーは曲の解説が付いていませんし、
サポージニコフも注釈が少しあるだけですが
教則本と呼ばれます。
それは、上記の理由です。


端的に言ってしまえば
教則本とは練習曲集であり、
初歩から順序正しく練習できるように
練習曲を並べている本です。


くろ・チェロ教則本」とは、
学びやすいよう工夫して練習曲を並べ、
注釈を入れた本です。

教則本とはそういうものであり、
それ以上でもそれ以下でもありません。



「基礎編」  

基礎編では、1stポジションを中心に練習します。

初めの一歩

ボーイング練習1

まずは、ボーイングの全弓練習です。

始めたばかりの人であれば、
最初の2~4週間
ボーイングのみをしっかりやるべきです。
(鏡を見ながらできたら尚良いです)

なぜかと言うと、

1.音色はほぼ右手で決まるため
2.最初の内に真っすぐ真ん中で弾けるようにするため
3.音階を弾いたときに、左手に集中できるようにするため

このような理由があります。
むしろ、ボーイングをおろそかにすると
一向に良い音が出なくなります


正直、初心者にとっては
ボーイング>音階や練習曲
なのですが…

単調な練習をただただ
ずっと行うのはつまらない。
なので、モチベーション維持のために
演奏動画も付けています。

あとは、教則本の特典につけている
弓の持ち方」や「ボーイングの仕方」も見て、
しっかりとボーイングできるようにします。

これを最初にやるかやらないかで、
今後の上達速度がかなり変わります。


チェロを始めて最低3ヶ月は
ボーイングを続けましょう。

ボーイング練習2

※テンポ表記はあくまで目安です。

次に、移弦・スタッカート・
ダブルストック等です。
「E」では弓の配分練習も行います。


こうした様々なボーイングを、
練習曲や曲が始まる前に行います。
↑  ↑  ↑
ここが大切です!

大事なのは、
音階や練習曲をやる前に、
ここをしっかり行うことです。

移弦って思ったよりも難しいので、
右手に慣れていない状態で
左手の練習をするとグチャグチャになります。

ピアノなど楽器経験があれば
そこまで気にしなくても良いのですが、
楽器初めての方は本当に要注意です。


実は、音階も曲も練習曲も
移弦って絶対出るんです。

だからこそ、先に移弦を身につけて
右手がブレないようにする必要があります。


他のスタッカート等も、
左手をつけても右手がブレないように
するための練習です。

最低限ボーイングが身についてから、
音階や練習曲をやってみて下さい。

音階練習(2オクターブ)

※テンポ表記はあくまで目安です。

次にハ長調の音階です。

まずは、左手の基礎である
1stポジションの場所を把握します。

慣れないうちは、
5mmの丸シールを指板に貼ると
練習しやすくなります。
(慣れたら剝がしてokです)

へ音記号が読み慣れない方も
多いと思いますので、
すべてドレミのルビを振っています。
(フィンガリング&ボーイングも完備です。)

左手の押さえ方は、
特典で確認することができます。


音階はとても大切…ですが、
音階だけ練習しても
子供たちは飽きてしまいます。

私は、中高生も教えることが多いため、
音階練習は練習曲の中に
ちりばめて教えています


大人であれば
音階のみで頑張れる方も
いらっしゃると思いますが、
中高生はそうもいきません。

J.ウェルナーやR.サポージニコフなどの
代表的な教則本も、
音階まみれでないのが
その証拠だと思っております。


玄人向けではなく初心者向けの本なので、
まずは最低限左指の場所を把握し、
慣らすために音階を載せています。

No.1~10

※テンポ表記はあくまで目安です。

No.1(へ音記号に慣れる)

1曲目は、皆さんご存じ「キラキラ星」。
なぜ1曲目が「キラキラ星」なのでしょうか?

それは、
知っている曲を練習することで、
チェロに慣れる速度が上がるからです。

英語を勉強するとき、
知っているドラマやアニメを見て
勉強すると上達が早くなると
聞いたことはありませんか?


それと同じで、
知っている曲から練習する事で、

1.譜読みがしやすい(へ音記号に慣れやすくなる)
2.曲を知っている(音を追えるので、速く弾けるようになる)
3.知っている曲が弾けるようになる(達成感が生まれやすい)

こうしたメリットが挙げられます。


チェロを始められる方って、
「へ音記号が苦手…」という方も
一定数いらっしゃいます。

そういう方が、
ガチの練習曲集で練習し始めるのは
なかなか厳しいです。
(LoebやSevcikなど、優秀だけど使い所を選ぶ練習曲)

そんな時に便利なのが「キラキラ星」です。

このような理由から、
あえて1曲目に「キラキラ星」を入れています。

初心者のための「くろ・チェロ教則本」なので、
初心者の方が進めやすいよう
考え尽くして作成しております。

No.2(S.リーOp.101:全弓練習)

No.2は、
S.リー:Op.101「First steps in Violoncello playing」
の練習曲を使用しています。
(とても秀逸な練習曲集です)

R.サポージニコフの教則本No.5と同様で、
あえてハ長調に転調しています。

理由は、調号を付けないためです。


こちらは、
初心者が最初に行う練習曲として、
とても最適なものとなっています。

理由は、

1.全弓練習ができる(超重要)
2.8小節目まで順次進行が使われている
3.同音移弦で音を繋げる練習ができる
4.メロディックで弾きやすい(重要)

が挙げられます。

全弓練習なので、
右手の基礎練習にもなり、
順次進行が使われているため
左手の基礎練習にもなります。

この曲を弾くときに大切なのは、
左手で音を変えても、
弓を真っすぐ弾けるのか
駒と指板の真ん中で弾けるのか
等、

右手の基礎をしっかりと意識して
練習することが大切です。


あとは、
音階では練習できない同音移弦が、
ゆっくりのテンポで練習できます。
(音階は順次進行ですので)

実際の曲中で使われる技術なので、
しっかり身につけるべきです。

同音移弦する場合は、
なるべく音と音がつながるように
左手を工夫して弾いてみましょう。


さらに、メロディックな曲なので
旋律を弾く予行練習にもなります。

生徒さんや子供たち、
教則本を弾いている人たちからも
「弾きやすい!」と言っていただける
人気のある練習曲です。


…なんて教則本に書いてしまうと
ページ数がオーバーしてしまうので
(当初は170ページでしたが、かなり削りました)
こちらで思いの丈をお伝えします。

No.3(S.リー:2つの音を繋げる全弓練習)

これも、
S.リー:Op.101「First steps in Violoncello playing」
の練習曲を使用しています。

No.2と同様で、
全弓を使って弾く練習曲です。


曲中で全弓を使えることはとても大切です

弦楽器は弦を弓でこすって
振動させて音を出します。(擦弦楽器)

基本的には、
弓をたくさん使うことで
弦の振幅が大きくなります


振幅が大きくなれば、
倍音が鳴りやすくなり、
良い響きが生まれやすくなります。

だからこそ、はじめの内に
たくさん弓を使えるようにしておくと、
後々いい音につながります。
(全弓って、意外と慣れていないと使うのが大変なんです)


あとは、
スラーで2つの音を繋げる練習
が出てきます。

右手は滑らかに動かして、
2つの音を1弓で弾く練習です。

言葉にするのは簡単ですが、
右手と左手の動きを
同時に考えなければいけないため、
思ったよりも難しい動きです。

でも、J.ウェルナーの教則本では
最初の曲で出てきます。

ここで所感ですが、

・J.ウェルナーの教則本:難しいけど実力が付く
・R.サポージニコフの教本:スモールステップで学びやすいけど、時間がかかる
※両冊とも上達できる教則本です。

というのが、
現在感じている感想です。

J.ウェルナーは1曲が長く、
内容も濃いので
実力は付きますが、難しいです。

R.サポージニコフは、
弾きやすく1曲も短くて、
スモールステップですが
実力が付くのに時間がかかります。


これも所感ですが、
ウェルナーの一部の曲は非常に有用
かなり実力が付く曲が多いです。
(正直、ウェルナー1冊終えればあまり困らないほど)

しかし、それをいきなり弾くのは
ハードルが高すぎます。

なので、S.リーの練習曲など
色んな練習曲を駆使して
ウェルナーのハードルを
なるべく下げています。

No.4(J.ウェルナー:A&D線を鳴らす練習)

いよいよやってきました。
J.ウェルナー:Op.10
に収録されている最初の練習曲です。

No.2~3でやった
・全弓練習
・スラーで2つの音を繋げる

を踏まえて弾く練習曲です。


そして、A線を多用する練習曲です。
肩や肘が上がっていては、
この曲を弾ききるのも大変です。

A,D線しか弾かないからこそ、
何かしらの方法で楽に弾かなければ
とても大変な曲になってしまいます



ここで大切なのは、
A線やD線のボーイング練習です。

ボーイングの基礎でも話していた
2段階というのを思い出しましょう。


弾いていて右手が辛いときは、
大抵肘が上がっています。

鏡で肘の位置が最適か
よ~く確認しましょう。

No.5(J.ウェルナー:音量を均一にする練習)

No.4と同じ
J.ウェルナー:Op.10
に収録されている練習曲です。

練習曲もリズムが変わっただけなので
すぐに弾けます。

大事なのは、
ダウンとアップで同じ弓の量を使って
同じ音量にすることです。


なので、端的に言えば
アップで弓を浮かせて
音量を均一
にしてあげます。

これも言葉にするのは簡単ですが、
弓のコントロール力が必要なので
なかなか難しいです。


あとは、こちらの曲もハ長調です。
♯や♭を経験させるには
まだ早い段階だからです。

現段階では、曲数をサクサクこなして
「チェロに慣れてもらう」
というのが1番です。

No.6(B.ロンベルク:弓使いの練習)

次は、B.ロンベルクの練習曲です。
チェロソナタや協奏曲も書いている、
チェロ界では有名な方です。

今回は
弓使い(弓の配分)の練習です。


意外と、これをやらずに
練習していく方も多いですが
非常に大切です。

なぜなら、音符の長さによって
弓の使用量も変えるべき
だからです。

例えば、長い音符なら長い弓、
短い音符なら短い弓を使うことで、
一定の音量で弾けるようになります。

一定の音量で弾けないと、
音と音がデコボコしてしまい、
滑らかに聞こえなくなります

白鳥がデコボコしていたら嫌ですよね。


デコボコしないための練習なので、
二分音符は全弓
四分音符は半弓使って弾きます。


こうした弓使いの練習は、
初心者であるうちにしっかり練習して
身につけておきましょう。

No.7(S.リー:デタッシェの練習)

これも、
S.リー:Op.101「First steps in Violoncello playing」
の練習曲を使用しています。
(学びやすいので多用しています)


デタッシェとは、
1音ごとに弓を返す奏法」です。

ベタ弾きとも言います。
(ベターっと弾くこと)


なので、ポイントとしては

1.弓を浮かせない(ベタッと弓を弦に付けたまま)
2.なるべく音を途切らせない

これらが大切になります。


そしてもう1つは、
左手をバタバタさせないことです。
が、基本は上記のみです。


まずはデタッシェに慣れるために
右手に集中して練習しましょう。

No.8(S.リー:デタッシェの練習)

No.7と同じ
デタッシェの練習です。


ただし、こちらの曲では
順次進行も多いので
左手をバタバタさせないように
注意しながら弾きましょう。

バタバタというのは
左指を指板から
かなり離してしまうことを指します。

左指はいつでも押さえられるよう
なるべく指板の近くに
待機させる
ようにしましょう。

あと、

・2の指を押さえていたら、1の指も押さえる
・3の指を押さえていたら、1~2の指も押さえる
・4の指を押さえていたら、1~3の指も押さえる

こちらも意識しましょう。

No.9(J.ウェルナー:デタッシェの練習)

来ました、
J.ウェルナーの練習曲です。
という事は、
ちょっと難易度高めの練習曲です。


この曲もデタッシェの練習ですが、
複合的な練習曲です。

練習ポイントは下記になります。

1.なるべく音を途切らせない
2.移弦で弓がバタバタしない
3.左手もバタバタしない
4.効率よく左手を動かす(例えば、最初のド&ミは一緒に押さえるなど)


そして、今までよりも長い練習曲です。

こちらの曲は時間をかけて
ゆっくり練習を進めて下さい。

効率的な練習の仕方を
詳しく知りたい方は、
下記をご覧ください。
(超基礎でも解説しています)


No.10(F.クンマー:音量を均一にする練習)

次に、F.クンマーの練習曲です。

音量を均一にする練習
No.5にもあります。

音量を均一にするために、
弓を浮かせたりして調整しましょう。

【ちょっとひと休憩】

「くろ・チェロ教則本」では、
ちょっとしたひと休憩を入れています。

ここでは、
色んなボーイングを収録しています。

遊びで弾いてみて下さい。

No.11~20

※テンポ表記はあくまで目安です。

No.11(弓使い&移弦&音量均一など)

No.11は、皆さんご存じ「赤とんぼ」。

知っている旋律を弾くことは、
歌うように弾く」ための
第一歩にもなります。

身近な例えですと、
「音階」を歌うように弾くのと、
「赤とんぼ」を歌うように弾く、
どちらが分かりやすそうでしょうか?


そして、赤とんぼは
No.2~10の総合課題としても
ほどよい曲です。

弓使い、移弦、音量均一など
様々な課題が出てきます。

1小節目だけでも
「ド→レ」と弾くときに
音量均一と移弦が必要です。

今まで学んだことを生かせる
とても程よい曲です。


そして何より、
知っている曲が弾けることで
達成感を感じられます。

初心者であれば、
発表会で弾く曲にもできます。

No.12(J.ウェルナー:強弱を付ける練習)

J.ウェルナーの曲ですが、
この曲は非常に旋律的です。

レッスンでは、
歌う練習曲」としても
取り上げています。

練習内容としては、
強弱を付ける練習です。


No.10を過ぎてくると、
少しチェロに慣れてきます。

なので、
新要素「強弱」を練習します。

ここでの強弱は、
p:先弓で小さく弾く
f:元弓で沢山弓を使って大きく弾く

という形で、
弓の場所を使い分けて
強弱を付けていきます。

ちなみに、強弱は他にも、
弓の圧を変えて弾いたり、
弓の量を変えることで
強弱が付けられますが、
まずは弓の場所で強弱を付けます。

No.13(J.ウェルナー:強弱を付ける練習)

No.12と同じで、
強弱を付ける練習曲です。

少々アップテンポですが、
No.12の練習曲と似ているので、
練習しやすくなっています。

軽やかな旋律が魅力の曲ですが、
弓の位置で強弱を付けます
p:先弓で小さく弾く
f:元弓で沢山弓を使って大きく弾く

No.14(S.リー:強弱&拡張型の練習)

S.リーの練習曲で、
強弱の練習曲です。

No.12、13と違って
弓の速度で強弱を付けます

音量操作するときに、
・弓の速度が速ければ大きく
・弓の速度が遅ければ小さく
となるので、

3小節目のクレッシェンドでは
だんだん弓を速くして、
4小節目のデクレッシェンドでは
だんだん弓を遅くして
強弱を付けます。

ですので、
弓の位置で強弱を付けるより
難易度が上がります。


あとは、初めての拡張型
最後に1音だけ出てきます。

1音だけなので、拡張型の
程よい初級練習になります。

No.15(J.ウェルナー:強弱を付ける練習)

J.ウェルナーの練習曲です。
こちらは強弱を付ける練習ですが、
弓の位置で強弱を付けます。

p:先弓で小さく弾く
f:元弓で沢山弓を使って大きく弾く

あとは、中間部分の「f」で
腕の重さをしっかり乗せて
大きな音で弾く練習でもあります。

基本は強弱の練習です。

No.16(レガート&拡張型)

No.16は、「威風堂々」です。
この教則本では1、2を争うほど
人気のある曲です。

こうした旋律的な曲を弾くときは、
なるべくレガートで弾きましょう。
(レガート=音と音を繋げて弾く)

あとは、所々で出てくる
拡張型にも気を付けましょう。

No.17(S.リー:拡張型の練習)

S.リーの練習曲です。
拡張型の練習曲です。

指を広げた形の時に
各指の幅をしっかり確認する曲です。

あとは、ここからフィンガリングを
最低限にしていっています。


あとは、同音移弦もあるので
音と音が繋がるように弾く練習でもあります。

ちなみに、冒頭はアルペジオなので、
肘を先行させて
移弦を楽にする練習でもあります。

No.18(S.リー:効率よく移弦する練習)

効率よく移弦する練習曲ですので、
なるべく上下の動きを減らして
効率よく弾くようにします。

今までも移弦の練習よりも
難しめの練習曲です。


ちなみに、移弦をしながら
強弱も付けます。

この段階に来ると、
強弱を付けることにも
慣れてきますので、
もう1つ要素を足しています。

No.19(S.リー:分散和音と移弦の練習)

分散和音と移弦の練習曲ですが、
肘や背中(肩甲骨)から動かす意識を
持つための練習曲でもあります。

チェロは、弾くときに
右手に意識を集中させてしまうと
音が固くなってしまいます

理由は、弦の振動を止めてしまう
一因になるためです。

弦楽器は、弦を沢山振動させる事で
良い音を響かせることができます。


では、より弦を振動させるには
どうすればいいのでしょうか



その方法の1つが、
肘や背中から動かす意識を持つことで
より振動させられます。

ただ、これはどの場面でも
使えるわけではない
です。

この練習曲を弾くときには、
上記の方法がより良く響かせられる
ということです。

テクニックにも適材適所があるため、
この辺りから、そういった内容も含め
練習していきます。

No.20(足りない要素の、補足練習)

今まで練習できなかった要素の
補足練習になります。

No.21~30

※テンポ表記はあくまで目安です。

No.21(レガート&拡張型)

No.21は「家路」です。
夕方に流れる、あの曲です。

こうした旋律的な曲を弾くときは、
なるべくレガートで弾きましょう。
(レガート=音と音を繋げて弾く)

あとは、所々で出てくる
拡張型にも気を付けましょう。
(初のハーフポジションです)

No.22(B.ロンベルク:移弦の練習)

今まで触れてこなかったタイプの
移弦の練習曲になります。


今までは、
「弓をバタバタさせない!」
という移弦の練習でした。


今回は、
右手をクルクル回して移弦する
という移弦の練習です。

ということで、No.18や19とは
毛色の違う移弦の練習
です。


こうした移弦の練習は、
ある程度チェロに慣れてからでないと
中々難しいため、
あえて中間に配置しています。

【ちょっとひと休憩】

今度は左指のストレッチです。
たまに遊びで弾いてみて下さい。

No.23(J.ウェルナー:移弦&強弱の総合練習)

来ました、J.ウェルナーです。
そしてこの練習曲は、
No.12~20、22の総合練習です。

移弦もありますし、
強弱も2パターンあります。

初めは弓の位置で強弱
中間は弓の量で強弱を付けます。


まさに、No.12~20、22の
総合練習曲です。


逆に言ってしまえば、
No.23を弾けるようにするために
No.12~20、22を配置しています。

No.24(S.リー:デタッシェの練習)

No.7~9以来の
デタッシェの練習曲です。
※なのでNo.7~9より少々難しいです。

デタッシェとは、
1音ごとに弓を返す奏法」です。

なので、ポイントとしては

1.弓を浮かせない(ベタッと弓を弦に付けたまま)
2.なるべく音を途切らせない

これが大切です。


そして、
右手と左手がバタバタしないことも
非常に大切な要素です。

移弦もふとした所に来るので
初期よりも要素が増えています。
油断せず弾きましょう。

No.25(F.クンマー:デタッシェの練習+音階要素あり)

デタッシェの練習曲ですが、
音階を彷彿とさせる練習曲です。

最初の5小節は、
ハ長調音階の上行形と下行形を
繰り返す形となっています。

こうした練習曲を弾くことで、
音階の上行形と下行形を
デタッシェで練習することができます。

No.27を弾くための
準備の曲です。


ここで余談ですが、
音階とは総合的な音楽練習曲
だったりします。

音階1つで、かなりの練習ができてしまいます。
例を出せば、

・フレージングの練習
・呼吸法の練習
・歌い方の練習
・音色の練習
・音程の練習
・弓の持ち方の練習
・弓を真っすぐ弾く練習
・左手の押さえ方の練習
・ポジション移動の練習
・拡張型の練習
・弓を真ん中で弾く練習
・駒近くで良い音を出す練習
・指板寄りで薄い音を出す練習
・強弱を付ける練習
・移弦の練習
・脱力の練習
・構え方を固定する練習
・身体を動かす練習 等々…

挙げればキリがないですが、
音階は総合練習曲です。

が、音階だけでは飽きてしまうので
曲中に上記のような要素を
上手いことちりばめています。

レッスンでは毎回最初に
音階をやってもらっているのですが、
理由は上記の練習を
生徒が知らない内にできるからです。

例えば、指で振動を感じて~とか
他の弦が共鳴するように弾いて~とか
その辺りです。

No.26(F.クンマー:デタッシェの練習+移弦要素強め)

まだまだデタッシェの練習です。
それだけ、デタッシェが大切
ということです。

No.24、25と毛色が違い、
移弦練習の要素が強い
デタッシェの練習曲です。

No.22と同じで、
右回りなのか左回りなのか
回す方を考えて弾く練習曲です。

これが、音階で次の弦に行くときに
スムーズに移行できるようになる
ため、
No.27の攻略につながります。


右手と左手を合わせることは
非常に大切です。
特に、発音や良い音を出したい場合には
非常に大切です。

それを習得するには、
デタッシェが不可欠です。

良い音を出すためにも、
今のうちにしっかりデタッシェを
練習しましょう。

【音階】二長調&ニ短調の2オクターブ

拡張型の良い練習になります。

No.27(J.ウェルナー:デタッシェとスタッカートの練習+音階要素あり)

今回の曲は、
デタッシェとスタッカートの練習曲です。

J.ウェルナーの教則本の
P.35に収録されています。

この練習曲の最大の特徴は、
音階から始まることです。

そして、様々な音階の形に
変わりながら練習曲が進みます。

移弦の要素も出ますし、
上行形や下行形も出ますし、
順次&跳躍進行も出ますし。

まさに、総合練習曲です。


私は今でも、
ウォーミングアップとして
たまに使っている曲
です。

私は、J.ウェルナーの中で
一番有用な練習曲だと思っています。

なぜなら、

・音階要素がある
・移弦のとても良い練習
・左手のバタバタさせない練習にも最適

・右手と左手を合わせる練習にもなる 等々

こんなにも大切な要素が
たくさん詰まっています。

なので、最初はデタッシェで
しっかり弾く練習をしてください。


そして慣れてきたら、
今度はスタッカートで弾く練習を
していきます。
※スタッカートで弓を跳ねさせる場合、ある程度テンポが速い方がやりやすいです。


大体の場合は、
数ヶ月かけてこの曲を練習します。
そのため、この曲を練習しながら
他の練習曲を進めたりします。

ウォーミングアップの曲としても
オススメしています。

No.28(J.ウェルナー:強弱&移弦の総合練習)

とても旋律的な、
J.ウェルナーの練習曲です。

割と人気があり、
強弱&移弦の総合練習曲です。

強弱は、
・弓の位置
・弓の量
で強弱を付けます。


あとは、移弦です。
冒頭は1弦またぎの
大きな移弦で始まります。

しっかりと肘を先行させて
準備をしながら弾きます。

No.29(S.リー:きざみの練習)

意外と盲点な練習として、
きざみの練習曲です。

練習曲集や教則本によっては
載っていないものもあります。

でも、大切な基礎です。
(曲ではよく使用されるため)

音階だけでは学びきれない基礎って
かなりあるんです。

【ちょっとひと休憩】

今度は、アルペジオです。
ぜひ遊びで弾いてみて下さい。

No.30(J.ウェルナー:スタッカートの練習)

スタッカートをしながら
バランスよく移弦をする練習
です。

No.27をスタッカートで弾けると、
こちらの曲が弾きやすくなります。

逆に、No.27を中途半端にすると、
こちらの曲が難しくなります。

例えるなら、
足し算を学ぶ前に
掛け算を解こうとしている状態です。

そのため、No.27にしっかり時間をかけて
練習するようにしてみて下さい。

「応用編」  

応用編では、1st~7thポジションの練習をします。

No.31~40

※テンポ表記はあくまで目安です。

No.31(基礎編の総合練習)

No.31は「歓喜の歌」です。
年末年始によく聴く曲です。

移弦&拡張型&レガートなど、
様々な要素を入れています。

発表会でも弾けますし、
2重奏もできるようにしています。
ぜひ弾いてみて下さい。

No.32(S.リー:左手を効率よく動かす練習)

左手を効率よく動かす練習曲ですが、
音階を多用している練習曲です。

まずは、左指がバタバタしないよう
練習してみましょう。

そして可能であれば、
左指を転がして弾いてみて下さい。

余裕が出てきましたら、
右手もなめらかに移弦するようにしましょう。

No.33(S.リー:移弦の練習+弦を噛ませる練習)

移弦の練習ですが、
低弦をしっかり鳴らす練習でもあります。

移弦が激しいですが、
低弦はしっかり弦を噛ませて
発音しながら弾きましょう。


弦を嚙む=しっかり弓を弦に引っ掛けること
発音=音の出だしをハッキリさせること

No.34(S.リー:ボーイングの練習)

S.リーの練習曲で、
タッカのリズムを弾く
ボーイングの練習曲
です。

タッカのリズムとは、
「付点8分音符」+「16分音符」
のリズムを指します。

応用編から右手も左手も
少しずつ難しくなっていきます。


ちなみにこのリズムは、
曲中でよく使用されます。

シェヘラザードの第四楽章や、
韃靼人の踊りなど、
様々な所で使われています。

No.35(K.ダヴィドフ:アルペジオの練習)

K.ダヴィドフと言えば、
チェロアンサンブルの「賛歌」。
ぜひ聞いてみてください。

アルペジオですので、
移弦の練習曲でもあります。

どの段階で、移弦の準備をするのか
しっかり考えながら弾く練習曲です。

そして「f」ですので、
大きな音で響かせながら
弾くようにしましょう。

【音階】ヘ長調、ト長調、ト短調の2オクターブ

ここで、4thポジションを使う音階の登場です。

チェロの各ポジションについて

ポジションの概念について載せています。

効率的な上達の仕方

上達方法の1つを載せています。

No.36(J.ウェルナー:スラーとスタッカートを弾き分ける練習)

旋律的な総合練習曲です。
練習曲自体も長いですし、
旋律的でもありますので、
フレージングも大切になります。

あとは、スラーと
スタッカートのキャラクターを
しっかり弾き分ける練習
です。

紛らわしいのは、
スタッカートが付いている音符と
付いていない音符で
音符の長さを変えることです。

基礎編で学んだ移弦やレガートの要素も
たくさん出てきます。

No.37(J.ウェルナー:テヌートとスタッカートを弾き分ける練習)

旋律的な総合練習曲です。
練習曲自体も長いですし、
旋律的でもありますので、
フレージングも大切になります。

あとは、テヌートと
スタッカートのキャラクターを
しっかり弾き分ける練習
です。

紛らわしいのは、
スタッカートが付いている音符と
付いていない音符で
音符の長さを変えることです。

基礎編で学んだ移弦やレガートの要素も
たくさん出てきます。

No.38(J.ウェルナー:強弱の意味や、各旋律のキャラクターを考える練習)

見開き1ページの長い曲です。
物語性のある、綺麗な練習曲です。

例えば「A」は、
明るく優しいキャラクターで始まり、
「B」で暗くなります。

「C」では不思議な音が続き、
不穏な空気に変わっていって、
途中で激しい音楽になります。

「D」は嵐のあとのような
静けさを感じる音楽になり、
「E」で最初のテーマを再現。

「F」は落ち着いた音楽になり、
「G」で大団円となります。

そんな様々なキャラクターを見せる
こちらの練習曲ですが、
強弱が深く関わっています。

「C」の激しい音楽では「f」と
marcatoが書かれており、
「F」の落ち着いた音楽では「p」と
tranquilloと書かれています。

このように、強弱とキャラクターが
密接に関わっているため、
表現する練習曲としても最適です。


様々な技術を身につけたからこそ、
こうした音楽表現が練習できます。

No.39(J.ウェルナー:4thポジションの練習)

4thポジションのみで弾く
練習曲
です。

4thポジションを把握するのに
とても最適な練習曲です。

なぜなら、4thポジションのみで
弾くことができるからです。

ひたすらに4thポジションに
慣れるための練習曲です。

No.40(B.ロンベルク:4thポジションへ移動する練習)

No.39で4thポジションに慣れたため、
今度は4thポジションへ
移動する練習曲
です。

段階を経て、練習を進めています。

ポジション移動する際に、
力が入らないよう注意することも
大切になってきます。

No.41~48

※テンポ表記はあくまで目安です。

No.41(リクエスト曲)

No.41は「G線上のアリア」です。
要望やリクエストが多く、
載せている曲になります。

ただし、リズムがかなり難しいため、
基本的には弾かなくて大丈夫な曲です。

発表会でも弾けますし、
チェロ2重奏としても演奏できます。

No.42(S.リー:4thポジションと拡張型の練習)

前半は、
4thポジションへ移動する練習曲です。

後半は、
拡張型の練習曲です。

誰かと一緒に合わせると
とても楽しい曲です。

【音階】ハ長調3オクターブ

7thポジションまで使う音階になります。

簡易的な「ポジション移動の練習」2nd~4thポジション

2nd~4thポジションの
ポジション移動練習を収録しています。

No.43(J.ウェルナー:1th~4thポジションの総合練習)

1th~4thポジションを
行き来する練習曲
です。

移弦や強弱、弓使い等
今まで学んできた
様々なことが出てきます。

フラジオも出てきます。

とても旋律的な練習曲ですが、
初心者にとっては
非常に難しい練習曲です。

そのため、
時間をかけてじっくり挑む練習曲です。

No.44(J.ウェルナー:1th~4thポジションの総合練習)

1th~4thポジションを
行き来する練習曲です。

移弦や強弱、弓使い等
今まで学んできた
様々なことが出てきます。

フラジオも出てきます。

とても旋律的な練習曲ですが、
初心者にとっては
非常に難しい練習曲です。

そのため、
時間をかけてじっくり挑む練習曲です。

No.45(移弦を滑らかに+ポジション移動)

No.45は「愛の挨拶」です。
非常に人気の曲です。

一番のネックは移弦ですが、
移弦が多用されている曲です。

滑らかにするために
極力右手をバタバタさせないよう
注意しましょう。


2nd、4thポジション
出てきますので、
丁度No.43~44の復習にもなります。

No.46(S.リー:3連符の練習)

ここで3連符の練習ですが、
3連符の速い曲って
弓が難しいんです。

でも、曲中に出てくるんです。

ある程度基礎ができていないと、
3連符を楽に速く弾くのは難しいため、
あえて後ろの方に持ってきました。

ぜひゆっくりから練習して、
少しずつテンポを上げてみて下さい。

No.47(S.リー:アルペジオの練習)

アルペジオの練習曲ですが、
この段階でやる大きな理由は、
右手をしなやかに動かせるようにするためです。

お箸もそうなんですが、
楽に持てるようになるまでには
ある程度期間が必要
です。

使う頻度も大切です。

ですが、ここまでくれば
右手も大分慣れてきています。

アルペジオを練習する理由は、
右手を楽にして、
肘や腕を上手く使って
楽にアルペジオを弾けるようにするためです。

そして、これは脱力につながります。

ここに到達させるために、
様々な練習曲を上手く組み立てて
周到に用意しています。

そうした構成で作成しています。

No.48(S.リー:右手と左手を素早く動かす練習)

ここで、
右手と左手を素早く動かす練習です。

端的に言えば速い曲を弾く練習です。

なるべく速く弾けば弾いただけ、
効果が出てくれる練習曲です。

ちなみに、頭の音は
強く弾いてしまって構いません。

「余談」

「ちょっとした小話」でも
載せてありますが、
ここまで弾ければ十分です。

この先は、さらに難しい内容です。

No.49~52

※テンポ表記はあくまで目安です。

No.49(重音の練習)

8小節のとっても短い
重音の練習曲です。

重音って、
・右手の弓の操作
・左手の押さえ方
を飛躍的に向上してくれます。

しかし、とっっっても難しいことも確かです。


なので、8小節のとても短いものを
載せています。

ぜひ挑戦してみてください。

No.50(F.クンマー:ポジション移動の練習)

とても気持ちよく弾ける
ポジション移動の練習曲です。

1~4thポジションの
ポジション移動を練習できます。

ポルタメントやグリッサンドが
ポジション移動中に入らないよう
練習するのに最適です。

No.51(F.ドッツァウアー:ポジション移動と移弦の練習)

F.ドッツァウアーの練習曲です。
ポジション移動と移弦の練習です。

「第2巻」では
・ドッツァウアー:113の練習曲 第1巻
を中心に構成しているのですが、
113の練習曲の内の1曲です。

次巻に行かなくても
次巻のレベルを経験できるように
No.51に収録しています。

「7thポジション」の練習

7thポジションを取る練習と、
No.4の練習曲を
7thポジションで練習する曲を入れています。

【音階】ハ長調3オクターブ各種

通常の3オクターブ音階と、分散、アルペジオを収録しています。

様々なクラシック曲を弾いて、ポジション移動に慣れてみよう

有名なクラシック曲の一節を弾いて、ポジション移動に慣れる練習を収録しています。

No.52(C.シュレーダー:親指を使った練習曲)

最後に念のため、
親指を使った練習曲を載せています。

初級用の教則本なので、
ここまで必要か迷いましたが、
生徒さんでたどり着いた人がいたため、
念のため載せています。

フラジオの位置に親指を載せて、
弾く練習曲です。

おまけの練習曲(F.ドッツァウアー)

重音の練習曲を1曲載せました。

これは「第2巻」の最後の方に
収録されている曲です。

【音階】ハ長調4オクターブ

ハ長調の4オクターブ音階を載せています。

【音階】各種音階2オクターブ

初心者向けの教則本ですので、
2オクターブの各種音階を載せています。

発表会用の曲の伴奏譜面

「キラキラ星」や「威風堂々」の
伴奏譜面を載せています。

組曲「動物の謝肉祭」より「白鳥」

オリジナル特典として載せています。

無伴奏チェロのための6つの組曲「第1番」プレリュード

オリジナル特典として載せています。


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